聖ヨセフ修道会NGOは5月29日から6月2日にかけてパリで開催された国連の第2回プラスチック汚染について政府間交渉委員会(INC-2)に参加しました。シャンベリーの聖ヨセフ修道会のアソシエイトであるノルウェー在住のヘルガ・ハース・メンレ化学博士(写真左)とパリ在住の聖ヨセフ修道会からシスター・ジャネット・ロンダディームさん(写真右)が代表で参加されました。
INCのプロセスの目指すところは「法律で決められたこと」を 確立させて全ての国が効率よくプラスチック汚染と戦うことを義務付けることです。INC-2の目標は達成できました。参加者達は今後の会合でも交渉を続けていけるように継続して条件を作っていくように通達されて各地に戻られました。
INC-2はゆっくりと始まりました。5日間のうち3日間はプロセスのルールについて、特にコンセンサスの取り方についてのルールの発表に費やされました。効果的な条約というものは、例えば2013年の「水銀に関する水俣条約」のように3分の2の多数決で決められました。数か国はプラスチック汚染に対応するための変革のインパクトから経済を守るために100%評決を支持しています。
我々はNGOという立場にあるため証言を提出することができます。以下の文を提出しました。
カトリックの修道女達として、私たちは何十年もの間、共同運営の方針としてコンセンサスを取って何でも決めてまいりました。私たちの経験として、全ての声を聞き、識別をすることによって共通善の選択をすることができました。INCもこの方法を用いたことを大きく評価いたします。なぜならこの条約を施行させるには決めたことを受け入れて実行してもらうことが大変重要であるからです。INC1と2で多くの意見が出ましたが、代表者達がよく聞いてお互いに多くのことを学んだことがはっきりとわかりました。代表達は前に進むことが緊急に必要なことを念頭に手続きの上での妥協点を見つけることができました。メンバー国の100%の賛成をいつも得ることはとても難しいことを理解します。全員に賛同してもらうための努力を尽くした上で、全体の3分の2の多数決で決めることもオプションとして入れることによって、少数派の意見の権利も守りつつ、妥協点を見つけることを促し、INCが共通善に向けて進んでいくことが可能となると思います。
我々のNGOを通して、以下の目標を特に支持しました:
- プラスチックの生産者達が環境に優しい方法でプラスチックのライフサイクルの各ステージに関わっていく循環経済に迅速に変えていくこと。
- 使い捨てのプラスチック製品や全てのプラスチック製造に害の出る化学物質やポリマーをなくすことを優先すること。
- 必要ではないプラスチックの使用をもっと環境に優しい成分の物に迅速に変えていくこと。
- プラスチックの成分の水準を決め、ラベルに明確に表示することを義務付け、製造者や購買者が成分、安全なリサイクル方法、廃棄方法などを知ることができるようにすること。
- マイクロプラスチックの漏れに対処する、道路運搬を強調する、ダスト、繊維、汚水汚泥などの規制。
INC-2に参加した我々の代表者たちは尊敬と柔軟な考えでお互いに話し合うことができたことが印象深かったと言っており、我々の美しい地球に起きているプラスチック汚染の多大な影響が起きていることを見て国連が世界の諸国に効果的に対応するように呼びかけてくれることに深く感謝しています。ヘルガさんは「この地球規模の問題に目が開かれて、世界と世界中の全ての人々にとってINCが成功するように願っています。」とおっしゃいました。
プラスチック汚染に関するINC(政府間交渉委員会)の局代表者達
11名の代表者が、Bureauと呼ばれるプラスチック汚染条約の委員会のメンバーとなっています。そのうち3名はシスター達の住む各国の我々の修道会の関係者です。
日本
日本の地球環境局長の小野洋地球環境審議官がアジア太平洋諸国を代表しています。第二回目のINCで選ばれてすぐに連絡してきたグループの物議を醸す問題のファシリテーターとして呼ばれました。彼の委員会はいくつか別の解決策を立てることができました。小野洋氏は日本の環境省地球環境審議官として世界銀行のために大気汚染規制プロジェクトへの融資、炭素ファイナンスプロジェクト、また、東アジア諸国の気候変動適応策に関する研究を行ってきました。
ペルー
初めの半分の交渉セッションの委員長はペルーのグスタヴォ・メザ・クアドラ大使です。経験豊かな外交官でコンセンサスの決議法を取ることを大事にし、忍耐を持って説得力のあるリーダーとして初めの2回の交渉セッションに臨まれました。
アメリカ合衆国
ラーク・ウィリアムズ氏はアメリカ合衆国国務省のプラスチック条約の交渉責任者です。彼女はINC-2でよく発言されており、外務担当官として、また環境保護庁での経験を大いに生かして質の高い証言をされていました。